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2017-11-12

【思いつき】 古いゲーム 【小説】

 武川は中古のゲームを買って懐かしむのが最近の趣味だった。今日もいつものように中古ショップに通い、鑑定士のごとく鋭い目つきでゲームソフトを吟味している。予算は千円。彼は毎月予算内で収めることを自分に課している。
 懐かしいゲームソフト、当時買えなかったソフトはあったが、どれも予算を超えている。今日は諦めようか、そう思ったときである。彼は一つのゲームソフトを見つけた。値段はたったの十円。惹きつけられたのはそこではなかった。そのソフトにはタイトルが一切書かれていなかったのだ。
 たった十円なら損だとは感じない。それなら、どんなゲームか確かめる冒険もいいものだと思った。購入は即決だった。
 店を出て武川は思う。どうせなら友人らも誘ってどんなゲームか確かめてみよう。そうと決まると彼はすぐに大学の部室へ向かった。
 七月は期末試験が目前ということもあり、大学の食堂やカフェには学生が友人らと勉強している光景が広がっている。武川は目もくれずに部室へ駆けていく。
 勢いよく鉄の扉を開けると、そこには武川の予想通り、いつものメンバー四人が集まっていた。男子学生が二人、女子学生が二人。
「みんな! このゲームやろうぜ!」
 普通なら、突然なんだと思うところだが、メンバーは彼の行動に慣れているため、またかと思うだけだった。
「テスト前だよ。うち勉強したいー」
 高田はテキストに向けていた目を武川に移した。
「どんなゲーム?」
 松見が立ち上がって武川に近づく。
「わかんない。タイトル書いてなかった」
「へぇ、ちょっと気になる。いくらだった?」
 柿崎も立ち上がり、二人に近づく。
「十円」
「やっす。まあ、そりゃそうだよね」
「な、かっきーも気になるだろ?」
「うん」
「三人でやりなよ。うちらちょっと勉強してたいし」
 素っ気なく答えたのは夏目だ。素早くノートに何かを書き込んでいる。
「勉強ばっかで疲れたしやるかー!」
 武川ははしゃいだ様子でテレビ画面に向かい、ゲーム機を取り出す。松見はケーブルをテレビに繋ぎ、柿崎はコントローラーを用意した。準備が整い、ゲームソフトを取り付ける。そして、電源を入れた。
 画面はしばらく真っ暗だった。もうそろそろ何か表示されるだろう、壊れているのではないかといった思いが走るなか、白い文字が画面に浮き出た。

『我々の世界を救う勇者よ、今こそ現れたまえ』

 読み終えた直後、画面からまばゆい光が溢れ、五人を包み込んだ。
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